はらぺこさんしん

東京都出身の三絃奏者・伊藤淳の日々。

簡単な弾き語り配信の始め方メモ、伊藤の場合。

★はじめに

 

こんにちは。

東京で沖縄三線の演奏者をしている伊藤です。

 

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この記事を書いている現在東京は新型コロナウイルスの蔓延により緊急事態宣言が出され、

外出自粛になったことに伴い、すべての音楽イベントが中止になっている渦中です。

 

私も全ての演奏がキャンセルとなり、無職と同様の状態にありますが、

人々の生命には変えられません。

こんな時に誰しも思いつくのは「インターネット配信」。

 

既に始めている方も多く見かけますが、

ただスマートフォンを机に置いただけなどの場合が多く見受けられるため、

自分が行なっている簡易的な配信システムを公開しようと思いました。

 

※この記事の内容は調べれば誰でも分かるものであり、

また本格的なビデオカメラや照明などを備えたスタジオさんなどから見れば、

鼻で笑うような内容です。

 

あくまでこれまで配信をしたことが無く、どうしたら良いか分からないと言う演者さん、

および演奏が趣味だけれど場所を失ったと言う方のために書きます。

 

★始めはiPadを置いただけの配信やってました。

 

コロナウイルス騒動前、数回iPad置いただけの配信ライブを行なっていましたが、

その時の感想としては、やはり演者とカメラ・マイクが遠いため、

トーク収録部分が拾いにくく、またiPad本体のマイクでは集音性能に厳しいものがありました。

音量を上げても音が割れてしまいます。

 

そこで、ウイルス騒動が始まった時に先ず音質改善に取り組むことにしました。

 

★伊藤の考え方

 

我が家は集合住宅住まいであり、また子育て家庭でもあるため、

昼間自宅で配信出来る場合と、夜間など撮影スタジオをお借りせねばならない場合がそれぞれあり、

容易に移動可能な配信スタジオを組む必要があります。

 

本来は自宅にあるデスクトップパソコンを中心としたシステムを組んだ方が優れていたはずなのですが、

この理由によりiPhoneを中心としたシステムを組みました。

(伊藤はガラケー愛用者ですが、そのためにiPhoneを導入しました)

 

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★実際に組んだシステム

 

カメラ及び配信機材として、中古iphone

 

マイク用としてはオーディオインターフェイス

YAMAHA AG06

 

デスク用マイクスタンド(必須では無い)

 

適当なスマートフォン用撮影スタンド(高さや角度を柔軟に調節出来るもの)

 

それぞれ説明します。

 

iphone

 

別にアイドロイドでもいいです。iosが使い慣れていたためです。

一応写真・動画撮影などの性能に関しては今のところiphoneには若干だけ利がありますね。

 

ライブ配信の場合、

超高画質にしても配信に使用するサービスの側の回線などの問題で

そこまで変わらないため、今回買ったiPhone8で全然問題無いようでした。

 

iOS対応オーディオインターフェイス

 

実は以前、イヤホン接続部に挿すタイプの安価なスマホ用オーディオインターフェイスを試したことがあります。

こちらですが、微妙な接触不良により、集音が途絶するトラブルが複数発生しました。

下記のLightningプラグで接続するタイプに比べ、信頼性が大幅に低かったため、

ライブ配信には向かないと考えます。

 

そこで以下がほぼ本題です。

 

オーディオインターフェイスって何やねん、と言う方がたいへん多いと思います。

(もちろん知ってるぜ当たり前でしょ、って方も多いはずですが)

 

ミュージシャンの方だど自分用マイク持っていたりもすると思いますが、

お気に入りのそのマイク、

変換プラグなどで頑張ってそのままパソコンやスマホに挿しても全く認識されません。

 

お気に入りのマイクをパソコンで(今回は例外的にスマホで)

使えるようにするための機械がオーディオインターフェイスです。

これがあれば、CDをレコーディングするような感じでライブ配信が出来る!はず。

 

選んだのはこれ、YAMAHA AG06

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/202926/

(コロナ騒動で急激に品薄になっているようです)

 

普段からYAMAHAのミキサーを使い慣れていたため選んだですが、

その中でもネット配信に特化したものです。

更に、弾き語りのためにはマイクが二本使えるものが欲しかったため、

こちらを選択しました。マイク一本で良ければもっと安価なモデルがあります。

 

本来PC接続用の商品のため、

iPhoneに接続するには専用の変換プラグが必要でした。

Lightning USBカメラアダプター と言うやつです。

 

https://www.amazon.co.jp/dp/B014VGHG0U/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_Re8JEb9XYYHPK

(中国で生産されていたため、コロナ騒動でこちらも品薄のようです…)

 

更に、パソコンへの接続ではUSB給電で動作しますが、

今回は不可能なため、Androidスマートフォンなどで使われるマイクロUSB充電器で給電が必要でした。

 

これは家に転がっていた普通のスマホ充電器を流用しました。

なおLightningでは無いのでiPhone用ケーブルは使えません。

ダイソーなどでもゴロゴロ売っています。

 

もう一つ重要なことですが、

iOS対応、Android対応と書かれているオーディオインターフェイスでないと、

スマホに繋いでも動作しませんので、間違って買わないように気をつけましょう。

 

★卓上スタンド、スマホスタンド

 

マイクスタンドはなんでもいいのですが、

普通のマイクスタンドを部屋に立てると意外とスペースを食ってしまい邪魔なので、

仕事用デスクに万力で固定する卓上用を使っています。

 

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/173214/

 

スマホ用撮影スタンドはAmazonでゴロゴロ売っています。

https://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/electronics/2544558051

 

これが無いと撮影画角の調整が全くできないので、こちらは大変重要で、

机に置いただけとかだとやはりしょぼくなりがちです。

 

高さや角度などがきちんと調整できる三脚があると後々楽です。

画面の見栄えは大変重要です。

自分が簡易的なのを買って納得いかず結局買い直しました。

ひどいのだと撮影中に段々と倒れてしまうようなのもあります。

 

★使い方

 

撮影スタンドに固定したiPhoneに USBカメラアダプターを繋ぎ、

そこからYAMAHAミキサーに本体付属のコードで接続。

ミキサーにはスマホ充電器で給電し、スイッチオン。

 

普段のライブなどと同じ感覚でマイクをミキサーに接続、

ミキサーのフェーダーで音量調整。

 

あとは、なんでもお好みのアプリでライブ配信をすれば、

設定の必要は無く自動的に作動します。

 

◎ここの要点。

自分は熱唱していても音が入っていないパターンがあるので、

必ずイヤホンやヘッドホンでモニターしましょう。

オーディオインターフェイスのイヤホンジャックに繋いで確認すれば、

配信されているのと同じ音が聴けます。

 

★使うマイク

 

一般には縦型のレコーディング用コンデンサーマイクが定番です。

https://www.soundhouse.co.jp/search/index?s_category_cd=852&i_type=c

 

自分は間違ってコロナ騒動で品切れしているマイクを買ってしまい、

まだ届いていないため、

普段仕事で使用しているボーカルマイクを試しました。

 

意外にSM58(一番普及しているボーカルマイク)

でもライブ配信としてはある程度集音が出来ることがわかりました。

 

ボーカルマイクではより高音質なマイクも試しましたが、

“超単一性指向”と言う、ライブ現場で重宝するマイクにありがちな特性が仇になり、

マイクの正面から一切身動き出来なくなり、非常に不都合です。

 

ただし、トーク部分なども自然に収録するには、

やはりボーカル用マイクよりは縦型コンデンサーマイクが適しているかなと言う感想です。

身体を揺らしながら喋ったりする時も集音してくれるからです。

その分、隣の部屋の洗濯機の音とか外で誰かが布団を叩くとか全部集音するので、注意が必要です。

 

楽器(沖縄三線)には別途日常的に使用していた、

クリップコンデンサーマイクを取り付け、事なきを得ました。

 

弾き語りの場合、マイク一本だとかなり慣れている方でないと楽器とボーカルの音量バランスが崩れやすいので、

それぞれにマイクを当てて別録りしてやると演奏が楽です。

 

YAMAH AG06 には「ファンタム電源」供給機能がついているので、

この特殊な電源が必要な”コンデンサーマイク“が使えるのもポイントです。

 

追記:

その後コンデンサーマイクが到着したため、

ボーカルは縦型(ラージダイヤフラム)コンデンサーマイク

三線SM58などのダイナミックマイク、と言う体制に変更いたしました。

かなり音質の向上したと共に、トーク部分が聴き取りやすくなり、

全体に配信もやりやすくなりました。

 

SM58はあくまでコンデンサが無い時の代用に使えるかなと言う感じですね。

 

★BGMを流したい場合

トーク部分にBGMを流したい場合も多いと思います。

普段お使いのiPhoneを撮影に使っているので苦しいところですが、

ipodウォークマンなどが何かが別途あれば、

変換ケーブルでYAMAHAミキサーに繋いでやれば音楽流すことが出来ます。

 

BGMを流すことが著作権的に問題になるかどうかは、配信に使用する媒体によって異なります。

それぞれ確認する必要があります。

 

★試してみて

 

やはりiPad置いただけとは全然音のレベルが違います。

一般のラジオ放送などで生演奏が流れるのと大差無い音質では無いでしょうか。

スマホスタンドを導入したことにより、画面のしょぼさも改善しました。

後は撮影背景のディスプレイなど、機材以外の作り込みが課題になってきそうです。

 

置いただけ配信をやっている方は、

そのフランクさに特別なこだわりがあるので無ければ、

弾き語り(演奏)配信であるのならば、

やらないと損だと思います。

 

iPhoneのカメラ性能も向上しているため、思ったより映像にも問題が少ないように思います。

 

もちろん本格的ビデオカメラには劣りますが、

現在では配信アプリなどの運営サーバー側の配信性能がものすごく高い訳では無いため、

超高画質で配信しても画質を落とされてしまうことが多いかと思います。

 

これから5Gの時代になり、だんだんと通用しなくなる時代が来るのかも知れません。

 

また、iphoneには今回のようにマイクは接続出来ても、

外部ビデオを接続する手段が無いため、youtube用に高画質映像を同時に撮影、

などは不可能となっています。

別撮りしてソフトで合成するしかありません。

 

★おまけ

 

この機材セットは、そのまま「宅録」にも使用可能なため、

コロナ騒動で暇な間にデモ音源のレコーディングなどに活用してみるのも良いかも知れません。

 

また容易に移動出来る配信セットを選択したことにより、

逆に配信セットごと音楽家さんの元を訪ねて配信させていただく、

などの能動的な使い方が出来ることに気づき、面白さを感じています。

外出自粛が終了したい際には考えて行きたいところです。

 

音楽を演奏する人々には大変な緊急事態となっていますが、

人間に音楽は必要なもの。

 

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それぞれ工夫して有意義な音楽ライフを過ごして行ければと思います。